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FAQ 就業規則

2024.10.09
  • 就業規則

就業規則の作成・変更手続きはどのような手順で行ったらよいでしょうか。

就業規則は、常時10人以上の労働者を使用する事業場では作成する義務があります(労基法89条)。
また、常時10人未満の労働者を使用する事業場においても、作成義務はありませんが、同条の趣旨にかんがみ、作成することが望ましいこととされています。
「常時10人以上の労働者を使用する」とは、常態として10人以上の労働者を使用しているという意味であり、例えば、常時は8人であっても、繁忙期等においてさらに2,3人雇入れるという場合は含まれません。また、常時10人以上の労働者を使用しているか否かは、労基法は事業に使用される労働者に適用されるものであること、労基法90条における労働者の団体的意見聴取を事業場単位で行わせることとしていることから考えあわせると、企業単位ではなく、事業場単位で判断すべきものと解されています。
そして、ここでいう労働者には、いわゆる正規社員のほか、パートタイム労働者やアルバイト等のすべての労働者が含まれます。なお、派遣社員は、派遣元との間で雇用契約関係にある労働者であって、派遣先の労働者ではありませんので、派遣先においては「常時10人以上の労働者」には含まれません。
上記の基本的な理解を踏まえ、就業規則の作成にあたっては、次のような流れで行うことが考えられます。

【就業規則の作成手順】
1.就業規則(案)の作成
 1)現在、実施している労働条件、職場規律などを箇条書きに整理する
 2)1)の中から就業規則に記載すべき事項を選び出す
 3)労働条件、職場規律などの内容を具体的に検討する
 4)各事項を章別に分類し、条文化する
 5)条文ごとに見出しをつける
2.労働者の過半数で組織する労働組合(同組合がなければ労働者の過半数代表者)から意見聴取する
3.2の意見を踏まえて検討する
4.所轄労働基準監督署へ届け出る
5.労働者へ周知する

※上記手順は、東京労働局『就業規則作成の手引き』(P11)より引用(一部筆者加筆修正)
※各工程における詳細は参考資料に紹介している『就業規則作成の手引き』をご確認ください
※厚生労働省ではモデル就業規則を公開していますので起案する上で必要に応じ参考にするとよいでしょう

なお、就業規則の変更手続きについては、変更案を作成した後の工程は上記作成手順と同じになりますが、就業規則の変更により労働条件を不利益に変更するような場合には労働契約法9条及び10条との関係で問題となり得ますので、注意が必要です。

【参考資料】

厚生労働省労働基準局編『令和3年度版 労働基準法 下巻(労働法コンメンタールNo.3)』1000頁~1001頁

東京労働局『就業規則作成の手引き』
https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-roudoukyoku/library/201533119827.pdf


※回答内容は、掲載日時点の法令・通達等に基づいたものです。

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